BレンジやS・L・2・1レンジとは?フェード現象が心配な関東周辺(中部地方)の観光地の例

2025年08月06日 14:22
シフトレバーのBレンジの説明をする為のシフトレバーの画像です

ペーパードライバー講習の際は最初にシフトレバーの説明を簡単にしますが、ハイブリッド車や電気自動車のBレンジがどういうものなのかとフェード現象やペーパーロック現象の対策について書きたいと思います。

ガソリン車のS・L・2・1についても同様にフェード現象やペーパーロック現象を防ぐための走行について記載いたします。

またフェード現象やペーパーロック現象が心配な関東周辺の観光地(中部地方を含む)をいくつか例として紹介したいと思います。
※あくまでも例ですので、その他の長い下り坂でも注意が必要です。



○Bレンジとは
・Bレンジとはハイブリッド車や電気自動車のシフトレバーにある「B」のことです。

・Bレンジは回生ブレーキを強く効かせてエンジンブレーキのように使用したり回生ブレーキで減速時に充電することもできます。
長い下り坂でフットブレーキと併用することでフットブレーキの過熱を防ぎ、フェード現象やペーパーロック現象をおこさないように使用します。

・Bレンジは条件により燃費が悪くなる場合があったり、満充電になった場合や低温時、滑りやすい路面ではブレーキの効きが弱くなることがあります。

○回生ブレーキとは
・車両の減速時にモーターを発電機として利用して運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回収、再利用するブレーキシステムです。

・電気に変換したエネルギーを蓄電して再加速時に利用したりします。

・モーターを発電機として利用することでタイヤに抵抗が生じ、減速効果が得られます。

○エンジンブレーキと回生ブレーキの違い
・回生ブレーキはモーターを発電機として利用することで電気エネルギーに変換して再利用することができます。
モーターの抵抗で減速効果が得られます。

・エンジンブレーキはエンジンブレーキの抵抗で減速効果を得られます。
エネルギーは熱エネルギーとして消費します。

○SレンジとLレンジ、2レンジと1レンジの違い
・Sレンジは車種によって意味が異なり、スポーツモードの場合とセカンドの場合があります。

・スポーツモードのSレンジはエンジンの回転数を高めに維持して力強い加速が出来ます。
加速したい時、上り坂、合流時に使用します。
スポーツモードのSレンジでエンジンブレーキを使用する場合はDレンジよりも強力なエンジンブレーキの効果があります。

・セカンドのSレンジ(2レンジと同じ)
セカンドのSレンジは2速を固定します。
2レンジで2速を固定するのと同じです。
長い下り坂で2速で固定してエンジンブレーキを使用するとエンジンブレーキが強く働きフットブレーキの負担を減らすことができます。
勾配が急な上り坂でSレンジを使うこともあります。

・Lレンジ(1レンジと同じ)
1速に固定します。1レンジで1速に固定するのと同じです。
セカンドのSレンジ(2レンジ)よりもエンジンブレーキが強く働きます。
急な下り坂や急な上り坂での坂道発進などで使用したりします。

●BレンジやS(スポーツモード)レンジ、S(セカンド)レンジ、2レンジ、Lレンジ、1レンジはいずれもDレンジよりもエンジンブレーキが強く働きますので長い下り坂ではフットブレーキの負担を抑えるために積極的に使用してフェード現象やペーパーロック現象が起こらないようにしてください。


フェード現象で熱を持ったブレーキの画像です


○フェード現象とペーパーロック現象
・フェード現象とは
フェード現象とはフットブレーキを使いすぎた際に摩擦材が過熱することで発生したガスにより摩擦係数が低下してブレーキが効かなくなっていきます。
・原因はフットブレーキの使いすぎです。
エンジンブレーキを使ってフットブレーキの負担を減らし過熱を防いでください。
・前兆はブレーキの効きが悪くなったり、焦げ付いたような異臭がしたり、異音がしたり、ブレーキを踏んだ時の感触(ふわふわ、振動、重い)がいつもと違ったりします。
このような兆候に気づいたらすみやかに安全な場所に停止してブレーキを冷ますなどの対処が必要です。
ロードサービスなどを利用して点検なども行った方がいいです。
・ブレーキパッドの摩耗もフェード現象の原因になりますのでブレーキを踏んだ時にキーという甲高い音がするようになったら交換してください。


・ペーパーロック現象とは
ペーパーロック現象とはフットブレーキを使いすぎた際にブレーキフルード(ブレーキオイル)が過熱により沸騰して、発生した気泡が油圧を吸収してブレーキが効かなくなったり効きが悪くなる現象です。
・原因はフェード現象と同じくフットブレーキの使いすぎです。
エンジンブレーキを使ってフットブレーキの負担を減らし過熱を防いでください。
・ペーパーロック現象はフェード現象が発生した状態でフットブレーキを使い続けるとより発生しやすくなります。
・前兆はブレーキを踏んだ時にふわふわした感触になる、いつもの深さまでブレーキを踏み込めない、ブレーキの踏み心地がいつもと違う、焦げ付いたような異臭、白い煙などがあります。
このような兆候に気づいたらすみやかに安全な場所に停止してブレーキを冷ますなどの対処が必要です。
ロードサービスなどを利用して点検なども行った方がいいです。
・ブレーキフルード(ブレーキオイル)の定期的な交換によりブレーキフルード(ブレーキオイル)を劣化させないことも大事です。

●フェード現象もペーパーロック現象もフットブレーキを使い過ぎてブレーキが効かなくなる現象ですが過熱する場所やブレーキが効かなくなる理由が違います。
長い下り坂などではエンジンブレーキを併用してフットブレーキの負担を減らし過熱するのを防ぐことでフェード現象やペーパーロック現象の発生を防止してください。

フェード現象が原因のバス事故の画像です

上の画像はフェード現象が原因のバス事故の画像です。

これからお盆休みや秋の行楽シーズンになりますのでフェード現象やペーパーロック現象に注意する必要がある関東周辺の観光地(中部地方を含む)を紹介しますので参考にしてください。
※例として紹介しますので他の場所はフェード現象、ペーパーロック現象が起こらないわけではありませんので他の場所でも注意して運転してください。



富士山須走口五合目に続くふじあざみラインの画像です

ふじあざみラインは富士山須走口五合目に向かう道路です。
マイカー規制の時期(令和7年は7月10日から9月10日まで)があり現在マイカー規制中ですが2022年の10月にバス事故が起こりましたので記載します。

このふじあざみラインは最大勾配22%(水平100mに対して22m上昇)、平均勾配10%の急勾配の坂道です。
他のルートに比べて特に勾配がきついです。

大型バスは重量がありますので2速または1速でなければ危険ですが、この事故では4速で走行してフェード現象が起きたそうです。

普通車でもBレンジ、Sレンジ、2レンジを使用しなければフェード現象が起きてもおかしくない場所です。
※ワンボックスやミニバンで乗車人数が多い場合にはギアを落としてエンジンブレーキを使ってゆっくり、ゆっくり下ってください。


フェード現象の危険があるいろは坂の画像です

いろは坂(下り専用は第一いろは坂)
中禅寺湖畔、中禅寺温泉、華厳の滝、日光東照宮など周辺に観光地があります。
また上り専用の第二いろは坂には明智平展望台もあります。

第一いろは坂(下り)の平均勾配は6.8%です。急カーブが連続するためフットブレーキを多用しがちですがエンジンブレーキを併用してスピードが上がらないように抑えてカーブの手前でしっかりスピードを落としてください。
フットブレーキは補助的に使用してください。
前の車との車間距離が近いとフットブレーキを使用する頻度が増えますので車間距離をとって走行してください。

ちなみに日光、いろは坂、中禅寺湖などに行く時、私は東武日光駅のところから日光東照宮まで渋滞するので先にいろは坂、中禅寺湖、華厳の滝に行って最後に日光東照宮に行くようにしています。





フェード現象を説明するための箱根新道の画像です
箱根新道にある緊急避難所の画像です

箱根新道
箱根新道は箱根湯本から箱根峠までを結ぶ国道1号線のバイパス道路です。
現在は無料開放されています。

箱根には多くの観光地があり大涌谷、芦ノ湖、箱根神社、九頭竜神社、温泉、美術館などあります。

箱根新道はエンジンブレーキの使用を促す看板やブレーキが効かなくなった際の緊急避難所があります。

最大勾配は8%です。

車間距離をしっかりとってBレンジ、Sレンジ、2レンジなどのエンジンブレーキでスピードを抑えてフットブレーキの負担を減らしてフェード現象が起こらないように注意してください。

また濃い霧が発生することがありますので注意が必要です。


フェード現象の危険がある碓氷バイパスの画像です

碓氷バイパス(群馬県は関東、長野県は中部地方です)
碓氷バイパスは群馬県安中市松井田町から長野県北佐久郡軽井沢町まで続き軽井沢バイパスと接続します。

軽井沢に行くには上信越自動車道も利用できますが碓氷バイパスや国道18号旧道周辺には観光地もいくつかあります。
めがね橋、碓氷湖、天然温泉峠の湯、碓氷峠鉄道文化むら、アプトの道遊歩道などが周辺にあります。

碓氷バイパスの最大勾配は8%です。

2016年1月に原因はフェード現象ではないといわれていますがバス事故が起きていますので注意が必要です。

群馬県側から軽井沢へ向かう際、上り坂から下り坂に変わっても気づかないで加速してしまうことがあります。
下り坂になったらフェード現象に注意してシフトレバーをBレンジやSレンジ、2レンジに変更してエンジンブレーキをしっかり使ってください。

バス事故は加速してしまった後フィンガーシフトでシフトダウンができずに弾かれてニュートラルのまま走行した可能性があります。




フェード現象に注意が必要な国道158号の画像です

国道158号(長野県と岐阜県は中部地方です)
国道158号は長野県松本市から岐阜県高山市を経由して福井県福井市まで続く一般国道です。

今回は長野県松本市から岐阜県高山市までについて記載します。
岐阜県高山市から福井県福井市までの道路も難易度が高いですので次の機会に書きたいと思います。

長野県松本市から岐阜県高山市までの間には平湯や上高地などの観光地があります。
長野県松本市には松本城や城下町、美ヶ原高原、北アルプスなどあります。
岐阜県高山市には飛騨高山のレトロな町並、高山陣屋、飛騨大鍾乳洞、飛騨国分寺、日枝神社、他にも車で1時間程(高速道路利用)で白川郷に行くことができます。

最大勾配は10%を超える場所がありますので下り坂ではBレンジ、Sレンジ、2レンジなどにシフトチェンジしてエンジンブレーキをしっかり使ってフットブレーキの使い過ぎに気を付けてフェード現象が起こらないように注意してください。

またトンネルやカーブも多く大型バスや大型トラックとのすれ違いもありますのでカーブでのすれ違いにも注意が必要です。


○上記以外の場所でもフェード現象やペーパーロック現象の危険がありますので紹介した場所以外でも長い下り坂ではシフトレバーをBレンジやSレンジ、2レンジなどに変えてエンジンブレーキを使ってフットブレーキの負担を減らしてフェード現象やペーパーロック現象が起こらないようにしてください。




夏休みはキャンプやバーベキュー、川遊び登山などで山に遊びに行ったりもすると思いますが下り坂では安全にゆっくり走行して楽しいお休みをお過ごしください。



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