助手席で寝たらダメなの?助手席の名前の由来

2025年07月29日 16:27
助手席の名前の由来を説明するための画像です

もうすぐお盆休みですね。車で帰省したり、旅行に行ったりなど長距離のドライブをされる方もいらっしゃると思います。

楽しいはずの帰省や旅行が些細なことが原因でケンカになってしまったことはありませんか?

原因はたくさんあると思いますが助手席で寝てしまったら怒られたとか運転手が眠くならないように会話しなかった、飲み物など気をつかわなかったとか、まるで助手席の人は運転手のサポートをしなければいけない義務があると思っている方がいらっしゃるようですので今回は助手席の名前の由来について書きたいと思います。

ちなみに私は休憩や食事などを自分のペースでできるので助手席で寝てもらっても全然大丈夫です。


助手席の名前の由来を説明するための大正時代のタクシー会社の画像です
助手席の名前の由来を説明するための昔の助手が必要だった頃の車の画像です

助手席の名前の由来は大正時代まで遡ります。
上のタクシー会社の画像を見ていただきたいのですが2人組みになっているのがお分かりでしょうか?

大正時代のタクシーは助手がいなければいけない理由がありました。

1912年(大正元年)に日本でタクシーが誕生したのですが、その頃は助手はおらず運転手1人でした。
その後1920年代になると「助手さん」と呼ばれる方が隣に乗るようになりました。

その助手さんが乗っていたのが助手席なのですが助手さんは相当こき使われていたそうで人間扱いされていないとまで昔の本に書かれているそうです。


助手さんの仕事は
・エンジンをかける
今の車はキーを回したり、ボタンを押せば電気の力でエンジンを始動できます。
しかし当時の車はクランク棒という金属製の棒を使って人力でエンジンを始動していました。
オートバイを運転されるからはおわかりだと思いますがエンジンを押しがけするのも大変です。
それを棒で直接エンジンを回していたのです。

・客引き
当時のタクシーのお客様はお金持ちばかりですのでお客様を探して営業もしなければなりません。
お客様と運賃の交渉をしたり誘導してきたりもしていたそうです。
しかし他のタクシーの助手さんと激しくお客様の取り合いもしていたそうです。
今のタクシーでもそのようなトラブルがありますので当時は殴り合いなどもあったかもしれないですね。

・乗降の手伝い
助手さんを必要とした一番の理由が乗降の手伝いです。
上の画像の通り、当時の車は車高が高く羽織袴や着物姿のお客様が乗り降りするのに助手さんが踏み台を用意してお手伝いしていました。

・道案内
地図を見ながら道中の道案内をして運転手のサポートもしていました。

助手さんの仕事は過酷だったそうですが一人前の運転手になるために大変なお仕事を頑張っていたそうです。


その後、和装から洋服に変わったり車の性能も良くなったため助手さんの必要性はなくなっていきました。

その頃のタクシーの助手さんの席の助手席という名前だけが残ってしまったのです。


今の車は簡単にエンジンを始動できますし、地図を見なくてもナビがあります。
高速道路の料金を準備しなくてもETCがあります。
車の乗り降りも昔みたいに大変ではありません。
飲み物もドリンクホルダーがありますしガムや飴も助手さんがいなくても大丈夫ですよね。

今から100年前の「助手席」のなごりでせっかくの帰省や旅行が台無しにならないように楽しく車内で過ごしていただきたいと思います。

もし助手席の義務みたいなものでケンカになりそうになったら、この100年前の本当の助手さんの話をしてみてはいかがでしょうか?

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