最近、ニュースなどで話題になっている外面切り替えという外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替えて日本で運転できる制度ですが事故など様々な問題が起きています。
日本人が日本で運転免許証を取得しても実際の道路では簡単に走行することは難しいです。
そのため初心者マークを貼ることにより周囲に注意を促しているわけです。
さらに合宿免許などで地方で教習所を卒業された方が東京都内を運転するのは、かなり難易度が高いです。
海外では日本より簡単に免許証を取得できる国はたくさんあります。
つまり外面切り替えで簡単な技能試験や学科試験をやったところで実際の道路を走行することは難しいのに何故日本政府はこのような制度を認めているのでしょうか?
日本人が日本の教習所を卒業して運転免許証を取得しても実際には走行できない方がたくさんいらっしゃるので私達ペーパードライバー講習の仕事が成立しているのです。
何十年も前の時代の流れに合っていない教習所の基準は現在の交通事情とはかけ離れていて通用しません。
その教習所の基準より簡単に取得した海外の免許証で日本国内を走行する許可を出して本当に大丈夫でしょうか?
事故が起きて犠牲になるのは日本で暮らしている人達です。
もちろん日本で問題なく運転できる外国の方はいらっしゃいますし、長期滞在の方でペーパードライバー講習を受講してから運転する方もいらっしゃいます。
しかし問題なのは短期滞在でホテルの住所などで外面切り替えをして日本での運転を甘く考えて事故を起こすことが問題だと思います。
極端な話ですが死亡事故を起こしても自国に帰国されたら遺族の方々は裁判すら起こせないですし逮捕することもできません。
違反も同じです。オービスを光らせようが駐車禁止で標章(ステッカー)を貼られようが帰国されたらどうしようもありません。
車の所有者やレンタカー会社は次回の車検が受けられない可能性もあります。
特に日本で運転するのは周囲の車がどのように動こうとしているか、お互い様の譲り合いなどの暗黙のルールが数多くあります。
海外では自分がドンドン進んで周囲の気遣いなど一切しない国がたくさんありますが、そういう意味では日本は特殊でその特殊が当たり前の国なんです。
正直な感想としてはインバウンドで来日した方が国際免許証や外面切り替えの免許証で運転するより普段から日本で運転している外国人の白タクの方がよっぽど安全だと思います。
しかし法律では白タクは禁止されていますので許されないことですが、それぐらい危険なことを政府は認めているということです。
○外国と日本の運転の違い
①左側通行
イギリス、インド、オーストラリアなど一部の地域は左側通行ですが多くの国が右側通行です。
逆走してしまったり、右折の際に先に曲がろうとしてしまったりなど慣れるまで混乱してしまうことがあります。
②右ハンドル
日本人が左ハンドルの車を運転するときと同じで車幅感覚を上手くつかめなかったり、ウインカーとワイパーを間違えて慌ててしまうことがあります。
また日本は道路が狭いため歩行者や自転車、バイクと車の距離が近いです。
車幅感覚がつかめていない車との接触事故などの危険があります。
③道路標識
補助標識の時間や車種など外国人にとって理解が難しい標識がたくさんあります。
駐車禁止と駐停車禁止、通行止めや侵入禁止など標識を見ただけではわかりにくいものがあります。
また徐行や一時停止は標識の形や色が他国と違ったり一時停止の標識や義務がない国もありますので運転する前にちゃんとルールの説明をする必要があります。
④信号
信号の色と意味の理解は多くの国で大丈夫だと思いますが点滅信号については理解がない場合があります。
黄色の点滅信号は注意して進むことができます。
また赤い点滅信号は一時停止です。
このような困惑させてしまうようなものについては最初に説明が必要です。
⑤歩行者優先
多くの国で歩行者優先が徹底されていますがそうではない国もあります。
日本の道路では歩行者と車がスレスレの場合があったり信号がない横断歩道を子供が渡ることがありますので事故が起きないように周知しておくことが必要です。
⑥道路や駐車場が狭い
日本の国土は狭く、歩行者や自転車、バイクと車がギリギリで通行することは珍しくないです。
しかし国土が広くて道路や歩道が広い国では歩行者や自転車とギリギリになることはあまりありません。
日本の道路の狭さも慣れないと危険です。
また国土が広い国では駐車場も広く前向きに駐車が基本になる国も多いです。
日本の時間貸し駐車場では駐車場にバックで入ってそのまま駐車スペースにバックで入れないといけない場合もあり普段前向きに駐車していると日本の駐車場は非常に難しく感じる場合があります。
駐車場の幅や駐車場の敷地が狭くて駐車が難しい駐車場は都市部にはたくさんあります。
周知の車や障害物に接触してしまう駐車場内の事故も多いですので練習しないと駐車も難しいと思います。
⑦踏切
踏切で一時停止をするのが基本ですがそうではない国もあり前の車に追突してしまう危険もあります。
また信号で管理されている踏切では一時停止の必要がない場合もあります。
そのような違いもわからないまま運転している外国の方がたくさんいらっしゃることは事実です。
踏切の事故は大事故になりますので踏切についてのルールもしっかり説明しなければいけません。
⑧自転車や電動キックボード
信号を無視したり歩道や車道を自由に行き来する自転車や電動キックボードに遭遇した場合に驚いてハンドルで避けてしまうと反対側の車などに接触してしまうことがあります。
建て前上は自転車や電動キックボードはルールを守って走行することになっていますが現実は違います。
建て前ばかりの上辺だけのルールだけではなくちゃんと現実を説明しなければ事故のリスクが増えてしまいます。
教習所なども建て前上のことばかり教えていて現実とかけ離れている部分が多いため免許証を取得しても実際に運転できない日本人はたくさんいます。
外国の方も同じで実際の道路と建て前上の規則などは違うことを知っていないと日本で運転するのは難しいかもしれません。
⑨サンキューハザードなどの暗黙の意志の疎通
お礼のハザードや渋滞時のハザード、譲る時のパッシングなどは日本人の暗黙のルールであり外国の方は当然意味がわからなかったりします。
サンキューハザードについて故障や減速するのかと誤解させてしまうこともあります。
また日本人は周囲の車の動きを予測したり譲り合いをしたりなどマナーの部分が他の国と違ったりします。
海外では自分の車が常に優先で譲り合いなど意識しない国もあります。
ご自分の国で運転するのと同じ感覚で運転すると交通トラブルや煽り運転の原因になってしまうことがあります。
日本で運転する際はそのような暗黙のルールや意志の疎通、マナーも必要です。
上記は例であり問題点の一部です。
これだけ日本と海外で違いがあるのにホテルの住所で外面切り替えができたり、簡単な技能試験と学科試験のみで運転することは大変危険です。
事故の犠牲になるのは日本で暮らしている人達です。
ジュネーブ条約加盟国の方の国際免許証も日本で運転するために必要なことをちゃんと理解できているのでしょうか?
このような問題を改善していくのは政治家の方々のお仕事だと思いますが日本で暮らしている人達の安全を守るためにも問題がある制度やルールはすぐに改善していただきたいと思います。